あまりにも心に響く漫画だったため、色々と考えさせられたセリフを取り上げてみました。
まだ「ブルーピリオド」を読んでいない人で下記のセリフに興味を持った人はすぐに読みましょう(笑)
すでに読んだ人には少しでも共感してもらえたらうれしいです。
1巻
①美術の先生
「作った本人が好きで楽しんで情熱を込めて作ったものってね それを見た人も楽しくなっちゃうものなんですよ」
美術の先生が八虎に向けて言ったセリフ。
モノづくりに携わる人が求める最高の境地ですよね。そしてこれを実現することはとてつもなく難しいっ!
正直情熱を込めるってやろうと思って100パーセントできることじゃないですよね。はじめからやる気が出ないときもあれば、途中で方向性を見失い情熱が冷めてしまうこともあるわけでして…。
そして見てほしい人たちを意識しすぎて情熱が陰ってしまうこともあるわけでして…無心に取り組めるほどの集中力も必要だと思います。
自分も楽しんで、相手も楽しませる…モノづくりをすればするほどたどり着くことが難しい考え方だと実感させられます。しかし、モノづくりに関わる上では目指さずにはいられない考え方でもあります。
②美術の先生
『「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ』
好きなことは趣味でもいいんじゃないか?と美術の先生に向けて八虎が質問した時の返答。
「好きなことは趣味でいい」…この言葉を使うべき人は、自分の楽しみを深めようと研究し、その困難さ・奥深さを実感した結果として趣味としての折り合いをつけられた人。
私はそう解釈しました。個人個人で色々な解釈ができる言葉だと思います。
③美術の先生
「頑張れない子は好きなことがない子でしたよ」
八虎が本気で美術に取り組もうとした際に美術の先生が言ったセリフ。
好きこそ物の上手なれ…そんなことわざを思い出させてくれます。
好きなものがある人は好きなものを極めるためならめちゃくちゃ頑張れますからね。言葉にすると簡単ですが、頑張れるほど好きなものを見つけること自体なかなか難しいですよね…。
また、好きなことがあっても頑張れない子はいますけど、頑張っている子で好きなことがない子というのはあんまり出会ったことがないかもしれません。
3巻
④八虎
「好きなことをやるって いつでも楽しいって意味じゃないよ」
八虎が予備校の先生に作品を焼きまわしと言われ、モノづくりの壁にぶち当たった時の心の声です。
好きなものだからこそ深く悩み迷い出口が分からなくなる…。あるわ~、よくあるわ~。
勉強すればするほど視野が広がったり選択肢が増えたりするんですよね。その結果どこに向かうのが自分にとって一番有益なのかわからなくなっちゃったりします。
悩み苦しむことで昇華されるんでしょうが…辛いもんは辛いですよね…。
結局出口を見つけるためには自分の中でより勉強していくしかないといつも結論は出るんですが…なにかきっかけがないと勉強の方向性さえ見えない時もありますしね。
他人と比較したり迷ってふて寝したり逃げ出したり…最終的には泣いたりもしますな~。
⑤八虎
「俺美術やってきたから世田介くんのこと好きだし 腹ん中煮えくり返りそうなくらい嫌なんだ」
世田介と一緒に初詣に行った際に八虎が本人に向かって言ったセリフとなります。
世田介が八虎に「何でも持っている君が美術しかもっていない僕の苦しみがわかるわけない!」的なことを言ったときに八虎が返した本当の自分の気持ちですね。
美術をやったことで世田介のすごさが分かりそれに嫉妬している八虎…好きでもあり嫌いでもあるという相反する気持ちが存在しているところがかなりリアル。
そしてこれまた共感できる気持ちでもあります。私もほかの人のブログを見てファンだけど嫉妬することもありますしね。「なんでこんなに詳しく読みやすくかけるのかな~」とか。
4巻
⑤桑名マキ
「あの人さえいなければ もっと楽しく描けたのにって思うこと…!」
東京藝術大学に現役首席合格したお姉さんがいる桑名マキが八虎に漏らした本音です。
自分より上の人を意識しすぎて楽しいことも楽しくなくなること…ありますねっ!
知らなければ楽しくやっていけたのに…興味があることを調べて、とてつもなくすごい人がいることをしり、自分や自分の作品の存在価値が揺らいでしまう…。
人は自分と他人を比較せずにはいられないっ!比較しなくても突き進んでいける人はそれだけで才能持ちだと思いますね~。
⑥八虎
「俺今さ…絵を描くのが…怖いんだよ…!楽しんで作ってそれ否定されたら立てなくなりそうで怖いんだよ…!」
八虎が進路の決まった昔からの友人に漏らした時のセリフです。
本気で取り組んだものだからこそ否定されるのが怖い…。これまたよくわかりますわ~。
馬鹿にされて受け流せるものというのはある程度自分で手加減しながら作っているものなんですよね。
本気で取り組んだものを馬鹿にされた日には…怒り荒れ狂い、ショックを受けて立ち上がれなくなりますわ。
本気で取り組んだからこそ、取り組んだものに対する評価や感想はもろに自分に響くわけでして…。
本気で取り組んだものを馬鹿にされてすぐに立ち直れる人はそうそういないよな~と思います。いるとしたら…実は本気で取り組んでいないかメンタルお化けじゃないですかね?
まとめ
うぅ…この漫画は共感できる場面が多すぎる…。自分を重ねて読みすぎてしまいますわ。
でも、このものすごく共感できるというところがこの作品の最大の魅力でもあると思っています。
やはり本気でものに取り組む人の姿っていうのはいつの世になってもかっこいいものなんですよ。
巷でもよく言われていますが、この漫画は「何かをやりたくなる漫画」だと思います。この共感によって気持ちを揺さぶられまくります。
まさに漫画界の自己啓発本といえるのではないでしょうか!
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