おすすめ度:★★★★☆
ジャンル:ファンタジー 子育て 家族 成り上がり系 人情系
人情話が刺さる!
今回は『冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する』という作品を読んでみました。(1~3巻)
内容としてはいきなり義娘ができた元冒険者のおっさんが旅をしながら子育てしていくお話ですね。子供の情操教育を絡めた人情話が予想以上に面白かったです。
おっさんの強さにご都合主義を感じる部分はありましたが、その分肩の力を抜いて読み進めることができました。
この作品はバトル展開やシリアスを求める人よりも子育てや人情系が読みたい人向けの作品ですね。第3者視点で2人の様子をニヤニヤ見守りたい人におすすめです!
あらすじ
かつては最強の魔術師として伝説になっていたダグラス。
しかしおっさんと言われる年になったいま、体は衰えボロボロに。
ワンパン喰らっただけで致命傷を負うような状況に陥った結果、ついにギルドから冒険者ライセンスを剥奪されてしまう。
――流れ者になったダグラスは、旅の途中で呪われた少女と出会い、彼女を救い出す。
少女を助け出す過程で最強の力を再び取り戻したダグラス。
ダグラスの元へは国王や騎士団、ギルドから応援要請が大量に押し寄せるが……。
「俺は子育てで忙しいんだ。他を当たってくれ」
自分だけにしか懐かない少女を娘にしたダグラスは、彼女とふたり気ままな旅を続けることを決意する。
星空の下にテントを張ってスープを飲んだり。稲穂の揺れる街道をてくてく歩いたり。立ち寄った先で人助けをするためうっかりチート無双したり――。
仲良し父娘の冒険は今日も続く。
(引用元:Amazon『冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する』1巻のあらすじより)
GAノベルより刊行。3巻まで発売中(2021年1月23日現在)
Kindle Unlimitedに登録していれば1~3巻すべて無料で読めます。
感想
心にグッとくる人情話
涙腺に来た!
1巻では主人公・ダグラスと義娘となるラビの交流が集中的に描かれていましたね。そして2巻目からは第3者が関わってくる展開が多くなっていました。
おっさんや義娘の友人関係の話はもちろん、女性大工の苦悩やエルフ族の交流事情など話題はバラエティ豊か。特に家族を絡めた話は多く…家出娘や幽霊男、エルフの少年の話では涙腺に来ました。
色々な人との交流を絡めて、ダグラスは父として、ラビは人間として成長していく姿を丁寧に描いていたのが見事でしたね。人情系の話が好きな人にはかなり刺さると思います。
Let's 子育て!
子育てに右往左往する新米パパ
いきなり義娘ができたダグラスですが、もちろん子育てなんてしたことないわけでして…悩みながら子育てしていくのがとても印象的でした。
時には遠慮気味なラビの気持ちをほぐそうと考えを巡らせ…時には辛い事象にラビを立ち会わせるか悩み…時には友人たちとキャンプに出掛けるラビを過保護に心配する…
義娘を想う姿はまさに世の父親w
娘の笑顔のために全力を尽くすダグラスは単純にかっこよかったです。子育ての楽しさと苦しさを同時に味わう父親像をうまく表現できていたんじゃないかな~と思います。読んでいて楽しかったですね。
主人公強すぎ問題
手に汗握る展開を期待しちゃいけない
主人公ははじめ能力が下がる病にかかっているのですが…そちらは意外とあっさり解決します。そしてその問題解決後、ラビと一緒に各地を巡ることになるのですが…
バトルや生活に関してはほぼ心配なし!
元々ダグラスが超人的な強さや便利な魔法を持っていたためほぼ心配することがないんですよね。よく言えば安心感がある、悪く言えば緊張感がない感じでした。
ちなみに私は一生懸命子育てに励みつつ人助けしていくダグラスが好きだったのでそれほど不満はなし。子育てに右往左往するダグラスが十分すぎるほど面白かったですw
余計なシリアスは蛇足
2巻からの方針転換が好き!
1巻の最後で暗殺者が襲ってきたため「2巻からも暗殺者が襲ってくる展開になるのかな~」と若干疑いながら2巻に読み進めたのですが…
人情系の話が多くなった!
しっかり義娘の子育てという面を中心においてくれていました。この方針に個人的には大満足!
次第に本当の家族になっていく2人の関係に終始ニヤニヤしっぱなしでしたね。「こういうのが読みたかったんだよ~」という内容をしっかり提供してくれていました。
まとめ
子連れ系ファンタジー作品として良作!
はじめは「義娘中心の話でラブコメはなさそうだな~」と落胆しながら読み進めていたのですが…読み進めていくうちに子育てを絡めた人情話に完全に魅了されてしまいましたw
義娘と出会い、子育てに奮闘し、様々な人たちを手助けしつつ交流を深めていく…やっぱり共感しやすい作品は読んでいて楽しいんですよ。
手に汗握る展開といったものはありませんでしたが、主人公の父親としての内面をよく描けていた良作だったと思います。
あとがきに載っていた筆者のお父さんの話も楽しく読ませていただきましたし、満足度の高い作品でした。
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