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【漫画】久しぶりにこんなに熱い作品を読んだ…「ブルーピリオド」の感想

 

 

この漫画…面白いっ!

 

主人公が真剣に絵に取り組んでいること、モノ作りする多くの人が共感する悩みを描いているところが素晴らしいです。

 

自分とどれだけ重ねて読むかでこの漫画は価値が変わってくると思います。

 

趣味(自分にとって好きなこと)は突き詰めていくと楽しさだけでなく苦しさも内包していく…それを感じさせてくれる名作です。

 

評価

★★★★★

 

概要

DQNだが影で努力し何事もそつなくこなしてきた高校生・矢口八虎。そんな八虎は美術部の先輩が書いた絵をみて引き込まれてしまう。

 

絵を描き始め、唯一の国立美大東京藝術大学を目指すことにした八虎。その中で八虎は作品を作り出すことに真剣に向き合い、楽しみと苦しみを味わいながら突き進んでいくのであった。

 

現在月刊アフタヌーンで連載中。単行本は4巻まで発売中(2019年4月現在)

 

↓ 下記の月刊アフタヌーンの公式サイトから一話無料で読めました。

www.moae.jp

 

 感想 

 ■ものを作り出すことの苦しさ 

 わかる…わかりますよ…その苦しみ…。

 

この漫画にはモノを作り出す人の苦しさが詳しく描かれています。仕事にせよプライベートにせよ、何かを作り続けるというのは相応の苦しみを伴うんですよね。

 

はじめは楽しくて自然と腕が向かうんですけどね~。そのうち考えが煮詰まり進まなくなっていくんですよ。

 

それがたとえ自分の好きなものだとしても苦しみからは抜け出せず。自分が何をしたいのか…何を目指しているのかわからなくなってくるんですよね。

 

特に自分が本当に進んでいる方向性ややり方に迷ったとき…動けなくなることってありますよね。そういう現実と重なる細やかな描写が数多く描かれておりとても共感できました。

 

新しいものを生み出し続けるとき、誰もが色んな苦しみを抱えながら生み出していると思います。ただし、苦しみの中で希望を見出すことのできたうれしさもあるわけでして…。

 

「ブルーピリオド」はそんな苦しみやうれしさを読者に提供してくれる漫画です。

 

 ■美術の技術

 美術は感性だけでなくテクニックや考え方も必要だということも教えてくれます。美術って遠近法や構図の考え方など、心理学的な側面も強いような気がしますね。

 

美術について何も知らない主人公を通して、遠近法や構図の考え方などをわかりやすく説明してくれるのでとても親切。

 

この漫画を読んでいると、私たちが普段見ている看板やポスターのデザインなどにも目立つために応用されているんだろうな~とか考えてしまいます。

 

■恋愛要素なし

 

ヒロインはいないっ!

 

主人公が美術に真剣に取り組んでいます。受験戦争に女などいらぬっ!絵のことだけ考えていればいいっ!というなかなかに硬派なスタイル。(女性キャラが出てこないわけではない)

 

かといって人間関係の面白さがないわけではなく、アドバイスをくれる先生たちや部活の先輩、予備校のライバルたちとの絡みは非常に面白いです。

 

姉と自分の絵を比べて悩んでしまうもの、八虎の成長をアドバイスとともに見守ってくれるもの、自分の作品を仕上げることに貪欲でそれを楽しめるものなど、それぞれの登場人物に強い個性がありますね。

 

特にライバルたちの姿勢や作品は大きく八虎を翻弄し、八虎を生みの苦しみへ叩き落してくれます。必死に答えを探し求める八虎の苦しむ姿が私たちの胸を絶え間なく締め付けます…。

 

普段「恋愛要素がない漫画は読む気がしない」と言っている私でもこの漫画は読んでみて良かったと強く思いました。

 

まとめ

主人公がどんどん美術にのめりこんでいく姿がいいですね~。悩み、苦しみ、解決してまた悩む…等身大を感じさせてくれる描写が多く、共感できる部分が多くてめちゃくちゃ刺激を受けますね。

 

作品の熱さとしては「スラムダンク」や「ヒカルの碁」に匹敵するんじゃないかな~と思います。登場人物一人一人の心情がかなり濃く描かれいて、それぞれが自分の殻を破ろうとあがいている姿に燃えを感じずにはいられません。

 

モノづくりを行っていくうえで、この漫画を見て何も感じない人はあまりいないと思います。刺激を受けたい人、燃える漫画を読みたい人にはぜひ読んでもらいたい作品です。色々と考えさせられますよ。

 

 

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