(登場人物や展開に関するネタバレはPVの映像以上はなし)
(どこかで期待していたがゆえに毒舌)
おすすめ度:★★☆☆☆
8日から上映されている映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』観てきました。
↓ 公式PV
(引用元:株式会社カラー khara inc.official公式チャンネルより 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告【公式】 - YouTube)
感想としては…
めっちゃ金がかかった二次創作をみせられている感じ
映像技術は凄いしなんかものすごく手がかかっていることはわかるんですが…面白いのかと言われると「?」ってなるんですよね。
相手の目的や味方の作戦、設定などよく分からないことが多すぎました。何より自分がTV版・旧劇場版で好きだった雰囲気を感じられなかったのが大きかったのかもしれません。
TV版のドロドロした人間関係や共感しやすい悩みなどに魅力を感じていた私としては、なんか盛大に滑った二次創作にしか見えませんでした。「これ、別にエヴァじゃなくてもいけるんじゃねーか?」「エヴァの名前付いてなかったら絶対見続けてねーなー」と強く思っちゃいましたね。(私の理解度の問題はあるかもしれない)
う~ん、好みや相性はあるんでしょうけど…TV版・旧劇場版ほど一般には受け入れられないんじゃないかな~。少なくとも私は「面白いよ!」と他の人に積極的に勧められません。
でも気になる人は一度観に行ってみても良いと思います。楽しめたならそれはそれで幸せなことですよ。私は上映中にかなり冷めてしまったので(泣)
私のエヴァ経歴
①TV版
TV版はリアルタイムで視聴。エヴァのロボット物としての面白さに惹かれる。
その後、旧劇場版の上映が決まり再度深夜の再放送で視聴。登場人物の人間関係や心理状態の面白さに気づく。その結果考察本などをいくつか読み込み、様々な要素への心理学の絡ませ方などにビビる。
↓ 1話と2話がYoutubeで公開中
(引用元:株式会社カラー khara inc.official公式チャンネルより 【公式】新世紀エヴァンゲリオン 第壱話「使徒、襲来」 - YouTube)
②旧劇場版
旧劇場版も映画館にて視聴。最後の方の展開に???となるも弐号機の鬼気迫る戦闘シーンや色々な解釈の仕方に面白さを感じる。
③新劇場版『序』~『Q』
新劇場版も視聴。『序』はTV版とほぼ同じ構成なので特に何も思わず。『破』は意外な展開が多くてかなり楽しめる。Qは空飛ぶ戦艦が出てきて違和感を覚え始める。
④『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』
𝄇も初日から視聴。面白さはあまり感じず。 →今ここ!
観に行く人たちのタイプ別評価(予想)
完全に主観ではありますが人によって以下のような評価になるのではないでしょうか?参考までにどうぞ。
TV版や旧劇場版の雰囲気が好きだった人 → がっかりする
新劇場版「序」「破」が好きだった人 → 楽しめるかどうか5分5分
新劇場版「Q」を面白いと思えた人 → 楽しめる
話題なので観に行く一般人 → クソ映画認定
感覚派のエヴァファン → ついていけずに脱落の可能性高し
謎が好きな考察系エヴァファン → 楽しめるかもしれない
結局エヴァのどこに価値を見出しているかで面白さが変わると思います。
私はロボットの戦闘や設定、人間関係とその心理描写に主軸を置いていたのであまり楽しめず。世界の謎という点に注目している人なら楽しめる可能性が高いかも?
また『鬼滅の刃』の映画のように万人向けの作品ではないので友人やご家族を誘う時は注意が必要。ぶっちゃけ誘わない方が良いです。
良かった部分
・作画が良かった
・映像技術がものすごい
・アスカとマリのプラグスーツ姿がエロい
・???
こんな感じでしょうか?個人的に一番楽しめた部分はちょっとしたネタバレになってしまうので伏せました。気になる方は映画で確認してみてください。(たぶんみんなよかった部分として上げる)
私にとって面白くなかった理由
う~ん、どうしても面白い作品だと思えなかったんですよね。先ほども記載した通りおそらく私がエヴァで好きだった部分と本作が噛み合っていなかったからだと思うんですが…少し細かく考えてみたいと思います。
①戦闘がわけわからん
これは『序』からずっと思っていたことではあるんですが…動きの派手さや映像技術は進歩したけど戦闘の面白さは減っているな~と感じました。
なんていうんでしょうか…簡単に言うとロボットプロレスが少ない?TV版のエヴァががむしゃらに戦ったり作戦を立てて使途を攻略していく感じが好きだったんですよね。
新劇場版に関しては多数を相手にしたり、肉弾戦が少なかったり、エヴァ暴走時の圧倒的強さが薄れていたりと好みからはずれている感じがしました。
要するに…カタルシス(盛り上がり)を感じる部分が少なかったんだと思います。
②日常から離れすぎてしまった
エヴァの魅力の一つとして
・ネルフの企業のような組織感
・パイロットが普通に中学校に通って日常性を保持する
・私たちが普段感じたりする悩みに近いものを持つ
・街や武装が「頑張ればギリ現実でもそのうち実現できるかも…」と思わせてくれる
など日常感があったと思うんですよね。なんというか私たちのリアルの延長線上にある世界というか…。
新劇場版に関しては『Q』からその側線が一気になくなってしまったわけでして…エヴァで感じていた共感性が一気に薄まった感じがしました。
そうなるとどうなるかというと、キャラクターが独り歩きしてしまうわけでして…「こいつ、何考えてんだ?」と違和感バリバリになってしまうわけなんですよね。
今回もまさしくそんな仕上がりになっているわけでして。キャラクターが勝手に盛り上がっているけどこっちは置いてきぼりになっている…そんな場面が多々ありました。
③超技術使いすぎ
新劇場版は全体的に作品内の技術が高すぎる感があるのですが…『Q』からより顕著になっていましたよね。まぁ…
空飛ぶ戦艦はねーだろ
②でも書いた通り私はそこはかとなくリアルを感じられる世界観が好きだったわけでして…空飛ぶ戦艦の登場でそれが一気に薄まった感じがしました。
こっちは別にエヴァで『ガンバスター』系や『グレンラガン』みたいな戦闘が見たいわけではなく…ぶっちゃけネタに走りすぎていて寒かったです。
④話や登場人物が無駄に複雑
分かんない分かんない分かんないよ!
ぶっちゃけ世界情勢や敵の目的、味方側がやりたいことがよく分からなくてシナリオはまったく記憶に残りませんでしたw
TV版も「分かりやすかったか?」と言われると否なんですが…キャラクターの魅力や共感性、ロボットプロレスで見続けさせてくれるパワーがあったんですよね。
新劇場版…特に『Q』以降に関してはそこらへんのパワーが個人的に不足していたため謎も楽しめなかったというか…ついていく気力が湧かなかったw
まぁ分かりづらさがエヴァの魅力と言われればそこまでですが…面白さのない分かりづらさはただただ辛い。
あとは様々な要素を取り入れ過ぎて製作陣が特に何をみせたかったのかわかりづらくなっていたのもあったんですかね~。余計なキャラをキャラ立てさせようとしてなんか寒くなっていた部分もあったかも…(船員とか)
④真希波・マリ・イラストリアス
うん、新劇場版から我が物顔でしゃしゃり出てきたキャラクターね…
終始うぜぇ!
「大体の内容や事情を把握してますよ~」「いつでもわざとおちゃらけていますよ~」という感じが終始鼻につきました。
一体こいつはなんだったのか…共感性が湧かないキャラクターを好きになれるわけがないじゃろがい!
まぁ作品全体において生きるための必死さはTV版より減っていた気がします。一体何を求めて新劇場版は作られたのだろうか?
まとめ
終始新しいことやろうとして盛大に滑った感じ
総評すると…TV版からエヴァを好きになった身としては何を目指していたのか全く分からなかったです。
新機軸を色々と盛り込もうとした意欲や映像技術の凄さは認めますが、もう『Q』以降は雰囲気や戦闘描写などあらゆる意味で別物過ぎましたわ。パラレルとかループとかそういうの関係なく…自分にとっては盛大に滑った二次創作以外の何物でもない(泣)
いっそエヴァじゃなくて別作品としてやればよかったのでは?(暴論)
端的に言うと努力の方向を間違えた作品、我が道を行きすぎて一般人には理解しづらくて受け入れられない作品になったんじゃないですかね?
TV版や旧劇場版のようによく分からないまま終わらせるのもある意味正解の一つだったんだな~と強く思いました…。
あとは…やっぱり他の人に「観に行け!」と強くお勧めはできない作品ですわ。それでも気になる人は…観に行ってエヴァンゲリヲンというコンテンツの終焉を感じてもいいかもしれません。
最後に…タイトルがエヴァンゲリヲンじゃなくてエヴァンゲリオンなのは何か理由があるんですかね?「実は夢オチでした~」といって作り直してくれても私は一向に構わん!
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