(追記:2巻の感想 2019年8月10日更新)
このお侍さん…まったく動じないでござる…
今回紹介するのは「半助喰物帖」という料理漫画です。
簡単に言うと江戸時代から料理好きのお侍さんがタイムトリップしてくるというお話なんですが…
全然動じないお侍さんがとっても新鮮!
こういうタイムトリップ物って大抵主人公が変な行動をして問題を起こすもんですが…このお侍さんはまったくそんなことがないんですよね。
「それじゃつまらないんじゃない?」と思うかもしれませんが、読んでみるとこの動じなさが癖になってくる面白い漫画ですよ。
あらすじ
引用元:「半助喰物帖」1巻49・50頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
大和越部藩士・楢原半助(ならはらはんすけ)は慶応二年の第二次長州征討に従軍、合戦中に井戸に落ち、現代へタイムスリップしてしまう。居酒屋で現代料理に舌鼓を打ちすっかりいい気持ちになった半助を支払いで助けたのが、一人暮らしの会社員・吉川香澄だった! 行き先に困る半助を見かねた香澄の提案とは。現代の東京へタイムスリップした侍が、現代の日本人をおいしくもてなす!
(引用元:Amazon「半助喰物帖」1巻の内容紹介より)
単行本は1巻のみ発売中。(2019年7月28日現在)
8月7日に2巻が発売予定。
感想
①動じないお侍さん
引用元:「半助喰物帖」1巻31頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
このお侍さん…タイムトリップしたのに全く動じていませんね~
もともとのんびりした性格というのもありますが、「生きていればそのうち帰れるだろう」「色々な料理を覚えて帰ってやろう」というポジティブシンキングが素敵ですな。
そしてその考え方の通り、日々料理について冷静に分析している姿が逞しいです。
タイムスリップ物は焦って行動してどえらいことになる展開が基本ですが、どっしり構えて落ち着いて自分の好きなものを探求していく展開も新鮮で面白いですね!
引用元:「半助喰物帖」1巻42頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
②料理研究
引用元:「半助喰物帖」1巻97・98頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
このお侍さん…よう外に出張るw
タイムスリップした直後にも関わらず、料理のためなら気にせずどんどん出かけていく半助の肝の据わりっぷりがかっこいい!
そして外に出て材料や料理を熱心に分析する姿も面白いw
・スーパーに買い物に行き豊富な食材に大興奮、存分に楽しむ
・立ち食い蕎麦屋で天ぷら蕎麦を分析
・近所のおばあさんからお店の情報を仕入れる
・本屋で店員さんと相談しながら料理本を購入
う~ん、江戸時代からタイムスリップしてきたとは思えないほど外部と積極的に交流していますね。
なにより半助が楽しそうに料理研究している姿に癒されます。料理が本当に好きだという気持ちがうまく表現されていますよね~。
③おいしそうな料理
引用元:「半助喰物帖」1巻109頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
やっぱり料理漫画は腹が減ってなんぼ!
料理を作りながら簡潔に説明を入れてくれるので分かりやすく読みやすかったですね。
引用元:「半助喰物帖」1巻106・107頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
【作品に出てくるメニュー】
・なすとほうれん草のにゅうめん
・大根の葉の菜飯とエビのおろし汁
・ふわふわたまごと鶏もも肉のキジ飯もどき
このように出てくる料理も多種多量。
料理の由来なども別ページにまとめられており、ちょっとした雑学を仕入れることができたのも好ポイント。
引用元:「半助喰物帖」1巻190・191頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
なんか材料が身近にあるものばかりだったため味が想像しやすく…どんどんお腹が減ってきて大変でしたわw(カツオの刺身買いに行きましたw
➃順応していくヒロイン
引用元:「半助喰物帖」1巻84頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
面倒見がいいヒロインっていいですよね~
この作品のヒロインである香澄さん…半助と出会う一日前に同棲していた彼氏と別れておりまして…半助とはヤケ酒の勢いもあり一緒に住むことにw
でもこのヒロイン…おおらかでいい人なんでしょうね~。
半助のために服や食費を用意、連絡が取れるようにタブレットも設定してくれたり…。
なにより半助の料理研究に理解を示してくれ、料理をおいしそうに食する姿が見ていて気持ちよかったです!
引用元:「半助喰物帖」1巻112・113頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
香澄さんの料理を食べているときの表情の描写が見事で本当においしそうなんですよ。
まとめ
引用元:「半助喰物帖」1巻190頁 草香去来 (著), 灯まりも (著) 出版社・講談社 (2019/2/7)
好きなものをひたすらに追いかけていく半助が眩しかった!
タイムトリップして環境が大きく変わったにも関わらず、ひたすらに料理と香澄さんのために工夫を凝らしていく半助がとても輝いて見える作品でしたね。
あれほど夢中になれるものがあるということは単純にうらやましいな~と思いました。
あとはヒロインの香澄さん…半助を自由に行動させる彼女のおおらかな心があればこそこの作品は成立していると思います。
半助がどんな料理を作り、それに対して香澄さんはどんなことを考えながら食していくのか…。
8月7日発売の2巻にも期待!
【追記】
↓ 2巻の感想も書きましたのでよろしければどうぞ!