おすすめ度:★★★★★(満点)
ジャンル:ヒューマンドラマ ラブコメ コメディ
漫画好きにはぜひ読んでもらいたい作品
今回はいつの間にか発売されていた『Artiste』の7巻読んでみました。この作品、単行本が1年に1冊しかでないんですけど…
神作品かよ!
発売に気づかなかったことを後悔するレベルで素晴らしい出来でした。生活していく中で共感できるエピソードが詰まりすぎていてやばいw
一応感想書いていきますが…感想読むよりさっさと購入して読んじゃってください。作品知らない人でも7巻だけ…7巻だけでも読むべき。
働いている人、モノづくりに関わっている人、ラブコメ好きな人には間違いなく刺さるはず。普段あんまり作品を強要しない私ですが『Artiste』だけは頬に押し付ける勢いで勧めさせていただきたい!
とりあえず読もう、マジで。
【作品の概要】
鋭敏な嗅覚を持つが気弱な料理人・ジルベールを主人公として、その周りにいる様々なキャラクターたちにもスポットライトを当てて物語を紡いでいくヒューマンドラマ系の作品。
それぞれの考え方や生き様、過去が共感しやすい形で描かれています。7巻では特にその傾向が顕著。
【7巻の感想】
①同じアパートの小説家の話
小説が書けなくてゴロゴロしていた同じアパートの小説家とジルベールがスコーン食べながら語り合うお話。
うん…これは漫画やイラストなど何かを生み出している人にぶっ刺さるお話ですね。「誰かに何かを伝えたい時」や「何かにストレスを感じている時」の方が創作意欲が湧くのは確かにその通り!
そして自分の作品を誰かに必要とされたときや肯定してもらえた時に新たな作品を生み出そうとする気力が湧いてくるわけでして…この想い、共感せずにはいられませんわ。
②色合いのお話
服や花の色合いに悩んだジルベールが画家のジャンにアドバイスを受けるお話。
うん?この色相環やイメージの話…イラストの塗りを調べたときにちょっと出てきたかもしれない。色の与えるイメージ効果は思った以上に大きいのよな。
イラストを魅せるのが上手い人はこういう色彩心理学を流れるように利用するから恐ろしい。絵を見るときは一瞬ですけどその中に様々な技術が散りばめられていることに気づいてしまうと…絵師の凄さに震えが止まりませんわ。
③モデルさんのお話
モデルを副業としているアネットの過去を主題としたお話。
華やかなイメージのあるモデル業界ですが…やはり並々ならぬ努力があるんですね。身長184㎝・体重59㎏で太っているとか…考えるだけで恐ろしい世界やで。
写真撮影費や旅費なども自分持ちの時があるみたいですし…確かにこんな環境だと色々なものを見失っていきそうです…。
我慢することを諦めたことで本当の輝きに気づけたアネットの選択を尊重せずにはいられませんでしたわ。
④ヒロイン・エルザのお話
ジルベールが美人と歩いているだけで不安になってしまう系ヒロイン・エルザのお話。
ジルベールの前では凛としているエルザですが、恋愛方面だとポンコツなのがエルザの面白いところ。出会ったばかりのアネットにもジルベールへの想いはバレバレでしたわw
そしてエルザの持つ恐怖心に共感できる自分もいました。人の負担になるって怖いことよな。好きな人ならなおさらよ。
アネットのアドバイスも恋愛の真理を突いていましたし…与えること・与えられること・期待すること・期待されることなど人間関係は本当に複雑すぎますわ…。
⑤ジルベールの同僚たち
レストランでの結婚式が迫る中、その準備に追われる職員たちが過去にあった自分の失敗談を語るお話。
過去の失敗で不安を抱える同僚のために自分の失敗を語っていく仲間たちがあったけぇわ…。
そして不安を抱えながら仕事をする気持ちにもやっぱり共感できちまうんだ…。パティシエであるディミトリの考えに至れることが理想だよな~と思いました。
⑥結婚式
レストラン内で行われた友人・マルコの姉の結婚式ですが…ちょっとしたハプニングもありましたが無事終了します。
ここで気になったのは…やっぱり弟であるマルコの心情ですかね。
前巻から描かれていましたがマルコにとって姉の存在はかなり大きなものだったわけでして…その姉が嫁に行ってしまうわけですから寂しさを感じずにはいられないわな~。
最後から2コマ目のシーンはその意味を考えてみると妙に印象深いシーンになると思いますよ。
まとめ
共感できるところが多すぎる作品
今までも十分面白かったんですが、巻を重ねるごとに話の魅せ方が洗練されてきていますね。
漫画という形で少しドラマティックに描かれていますが、私達が日常で流してしまっている感情や考え方を良い意味で浮き彫りにしてくれているように思います。やっぱりその共感性が面白さに繋がっているんじゃないでしょうか?
さて、今回の7巻も大満足できる1冊となっていました。このシリーズの残念なところは1年に1回しか新刊が出ないところですが…これだけ面白いと8巻への期待も否が応でも高まるというもの。また1年間、頑張って耐えていきたいと思いますw
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